CGチュートリアルコンテンツなどを公開しているBoundless Entertainmentが、「5 VFX Techniques You’ve Been Taught that are Actually Wrong(これまで教えられてきた5つのVFXテクニックは実は間違っている)」という動画を公開しました!
動画は2部構成で今回公開されたのはパート2でした、パート2は日本語吹替にも対応してます↓
これまで教えられてきた5つのVFXテクニックは実は間違っている (Part2)
この動画では、特にYouTubeや多くのオンラインプログラムでVFXアーティストに教えられている、よくある5つの間違いについて説明します。これらの技術は、過去10年間のVFXの劣化の一因となってきました。
1️⃣ カメラシェイクの誤用(Camera Shake)
- 誤り:CGの不自然さを隠すためにカメラシェイクを追加すること。
- 正しい使い方:シェイクは「不安定感」や「緊迫感」を伝えるために使うべきで、ただリアルに見せるためのものではない。
- 改善策:ノイズパターンのシェイクは不自然になりがち。iPhoneやiPadでリアルなカメラデータを収録し、自然な揺れを再現する。
2️⃣ ディテール不足(Not Adding Enough Detail)
- 誤り:CGシーンで表面のディテール(凹凸や質感)が足りない。
- 正しい使い方:現実の物体には小さな傷や粗さがある。これを再現しないとフェイク感が出てしまう。
- 改善策:Quixel MegascansやFoliage Toolを使って、岩や草のディテールを追加し、より自然な見た目にする。
- その他:UE5の使い方を学べるコース紹介(Virtual Filmmaker’s Playbook | Boundless Entertainment)
3️⃣ 被写界深度と長い焦点距離の使いすぎ(Shallow Depth of Field & Long Focal Lengths)
- 誤り:過度なボケ効果(浅い被写界深度)や500mmなどの長焦点レンズの多用。
- 正しい使い方:リアルな映像では24mm~50mmの焦点距離が一般的で、極端な長焦点距離は不自然に見える。
- 改善策:適切な焦点距離と被写界深度を設定し、現実的な視覚表現にする。
- その他:UE5で使えるリアルに見せるボケ効果仮想ガラスレンズキット(Store 1 — Joshua M Kerr)
These Simple Mistakes are RUINING your VFX (Part1)
1️⃣ リアリズムを意識したアプローチが欠けている(Not Taking a Realistic Approach)
- CGを「CG」として扱うのではなく、「現実世界で撮影する」ように考えるべきだという話。
- 単に見栄えの良いシーンを作るのではなく、実際にカメラで撮影するならどう見えるかを意識して設計する必要がある。
- 特に、カメラの動きや視点のリアリズムを考慮することで、CGショットがより自然で説得力のあるものになる。
- 改善策:Unreal Engineなどのバーチャルカメラで実際のカメラワークをシミュレーションする。実際の撮影のように被写界深度や焦点距離を意識する。
5️⃣ 物理的な制約を無視したカメラワーク(Disregarding Physical Constraints)
- CGだからといってカメラを自由に動かしすぎると、不自然で観客の没入感が損なわれる。
- 映画撮影では物理的な制約(カメラの設置場所、動きの制限)があるため、それを意識したカメラワークを設計するべき。
- 例えば、地上のシーンが続いているのに突然空中からの視点になると、違和感が生じる。
- 改善策:物理的に実現可能な動きを意識する。例えば、地面から撮影するシーンなら、ヘリコプターのような空中視点を突然使わない。CGでも「手持ちカメラ」や「ドリー撮影」を模倣することで、自然な映像が作れる。
✅ まとめ
この5つの誤りは、単にCGをリアルに見せるための「手抜き技術」ではなく、現実の撮影手法を意識することで改善可能です。
実際のカメラワークや光の当たり方を理解し、CGでも同じように再現することで、「フェイク感のない」シーンを作ることができます。
若干挑発的なタイトルでしたが、内容を見てみると、むしろ「CG作品をリアルに見せるための5つのTIPS」と言った方がしっくりきますね。どれも「こうしたらもっと自然に見える」という改善ポイントな気がしました、
CGのフェイク感を消すためのリアルなアプローチ、色々参考にしつつ作品を作っていきたいですね。
コメント