Turtlerock StudiosのリードキャラクターアーティストJ Hill氏が自身のYoutubeチャンネルにて、ゲームキャラクター制作にかかるコストや請求額についての考え方を解説した動画「The Real Cost of Game Characters (And What to Charge)」を公開しています。
ゲームキャラクターの実際のコスト(そして請求額)
動画で語られている内容
- ゲームキャラクターの価格差が結構ある
3Dキャラクターの価格は、Fiverrの低価格案件($35-$50)からAAAタイトルの数十万ドルまで大きく異なる。
一部のキャラクターが高額になるのか、多くのアーティストにとって理解しにくい。 - AAAゲーム業界の給与水準
Naughty Dog のような大手スタジオでは、シニアキャラクターアーティストの年収は$134K-$184K(約2000万~2700万円)
The Last of Us のジョエルや God of War のクレイトスのような主要キャラは、制作に1年以上かかることもある - なぜ企業はキャラクターモデルに高額を支払うのか
企業はキャラクターを「投資」として捉え、ゲームの売上向上につながると判断すれば高額を支払う。
顔のアニメーション、多様な衣装、高解像度テクスチャなどの要素が価格を押し上げる。 - ゲーム開発費と収益の関係
The Last of Us 2 の制作費は約2億ドル(約300億円)にも達する。
Fortnite はスキン販売で莫大な収益を上げており、3Dキャラクターの価値を示している。 - 初期開発コストとアウトソーシング
開発初期はゲームのスタイルやワークフローを確立するために熟練のアーティストを採用し、高額な投資を行う。
一度スタイルが決まると、キャラクター制作はアウトソーシングに移行し、大量生産される。 - アウトソーシングスタジオの役割
Airborne Studios のような外部スタジオが、Overwatch や Fortnite のスキン制作を担当。
品質を維持しつつコストを抑えることで、ライブサービス型ゲームに貢献している。 - キャラクターアーティストとしての価値を高める方法
企業は「実績」のあるアーティストを採用しがち。単なるスキルだけでは不十分。
AAAゲームに関わるには、強力なポートフォリオを構築し、アウトソーシング企業での経験を積むことが重要。 - 適正価格の設定と過小評価を避ける
フリーランスのアーティストは、最低でも$500/日(約7.5万円)を基準に料金を設定すべき。
AAAタイトルのキャラクタースキンの外注費用が$35,000(約500万円)
2か月間のキャラクター制作なら$20,000(約300万円)程度の相場感 - 料金交渉のコツ
給与やレートを聞かれたら、希望額より少し高めの金額を提示することが重要。
企業は即座に契約を断ることはなく、必ず交渉に入る。 - 最後のアドバイス:自分の価値を理解する
ゲーム業界は巨額の予算を持っており、スキルのあるアーティストには十分な報酬を支払う余地がある。
「情熱を持ち、スキルを磨き続ければ、最終的に価値のある仕事につながる」ことを忘れないように。
基本的に日本でも根本的な考え方的には同じだと思います。そうだとしてもキャラクターモデルの価格設定って難しいんですよね。この動画で語られている金額の例は、そもそも日本と相場感で大きな開きがありそうな気がしてます・・アメリカン・ドリームだなぁ・・。それにしても各種アセットの販売サイトでは、格安なキャラクターモデルアセットが増えてきてるので、金額に関しては混乱しがちですが、とにかくモデラーの方は自分を安売りしないようにしていきたいですね。
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