無料のボクセルモデリングソフト「MagicaVoxel」などでお馴染みephtracy氏によるSDF(Signed Distance Field:符号付き距離場)エディター&パストレーシングレンダリングツール「MagicaCSG v0.0.1」がリリースされました!
※2021/06/16 – SDFの記載を修正
CSGとは
Constructive Solid Geometry – Wikipedia
空間領域構成法(英: Constructive Solid Geometry, CSG)はソリッドモデリングで使われる技法のひとつである。 CSGは手続き的モデリング技法として3次元コンピュータグラフィックスやCADでしばしば使われる。 ブーリアン演算を使って複雑な表面やオブジェクトを生成することができる。
SDFとは
符号付き距離場(英: Signed Distance Field, SDF)、符号付き距離関数(英: Signed Distance Function, SDF)と2種類呼び方があるみたいです。空間内のポイントの座標を渡すと、そのポイントとあるサーフェスの間の最短距離を返します。戻り値の符号は、ポイントがそのサーフェスの内側にあるか外側にあるかを示します。“Signed Distance Field”(SDF)は、2次元または3次元のグリッドやテクスチャとして表現されるデータ構造です。各グリッドセルまたはテクセルには、オブジェクト表面までの最短距離が符号とともに格納されます。このデータ構造は、コンピュータグラフィックスや物理ベースシミュレーションなどで使用され、オブジェクトの表面形状や距離情報を効率的に表現するために使用されます。SDFは、オブジェクトの外側の点には負の距離値を持ち、オブジェクトの内側の点には正の距離値を持ちます。
一方、”Signed Distance Function”(SDF)は、関数形式で表される数学的な表現です。オブジェクトの3次元空間内の任意の位置を入力として受け取り、その位置からオブジェクト表面までの最短距離と符号を返す関数です。この関数は通常、特定の形状や表現方法に基づいて定義されます。SDF関数は、SDFデータ構造と同様に、オブジェクトの表面形状や距離情報を表現するために使用されますが、データ構造として格納されるのではなく、関数として直接使用されます。
したがって、”Signed Distance Field”はデータ構造を指し、”Signed Distance Function”は関数形式の表現を指します。両者は、オブジェクトの距離情報を符号付きで表現する点で共通していますが、データの形式や使用方法に微妙な違いがあります。
Signed distance function – Wikipedia
MagicaCSG
軽量のSDF(Signed Distance Field:符号付距離場)エディタです。高速動作するパストレーシングレンダラも搭載されています。v0.0.1が無料公開中で、現在対応しているOSは64bitのWindowsのみで、OpenGL 4.6に対応し2GBのRAMを搭載したGPUが必要です。
ダウンロード先:MagicaVoxel
私も軽く遊んでみました。
初めて触る所から録画したので、サイバートラックを作る際には色々と苦戦しています…慣れれば色々作れそうですね!
使用の際の注意
ゲーミングノートPCなどのようなデュアルGPUを搭載している環境で、ビューポートに何も表示されない場合は、Windowsのグラフィック設定からMagicaCSGを高パフォーマンスGPUの方を使うように指定する必要があります。
Twitterでは既に数多くの作品がアップされています
Tried #MagicaCSG and oh boy, it’s an amazing piece of software! Thanks @ephtracy I had so much fun! pic.twitter.com/Q1Q6gPgRBi
— Lena pixels (@lenapixels) June 9, 2021
MagicaCSGで作るきんつば
— ちま (@chima_chima) June 4, 2021
すごく使いやすくてすごい#しらぬえ #MagicaCSG pic.twitter.com/ApZcmm8fiM
Kaneda’s bike, my first model in @ephtracy‘s new program #MagicaCSG! 😁 Very fun tool!#sdf_edit pic.twitter.com/rxFPs1wvyo
— Antoine Lendrevie (@Sir_carma) May 24, 2021
Brionvega Radiocubo.
— Giacomo 🥑 (@giac_) June 4, 2021
Sick italian design from the 60s.
Made with #MagicaCSG by @ephtracy pic.twitter.com/FNrXQDfqkf
Slicing!#MagicaCSG pic.twitter.com/lmnK7UbHdR
— Mrmo Tarius (@MrmoTarius) June 7, 2021
Jeep Wrangler Sahara made in @ephtracy‘s new program MagicaCSG#magicacsg #sdf_edit #jeep pic.twitter.com/TKYod4wTA6
— Davidal (@Daaviidaal) May 25, 2021
beepbOOp #MagicaCSG pic.twitter.com/cPMj4Hltzh
— Денис Новиков (@denorelli2) June 12, 2021
found grandfather’s camera in the attic #magicaCSG pic.twitter.com/QIfS7HcOe6
— Igor Teifel (@moyametekure) June 12, 2021
Swordfish from #CowboyBebop
— 满咲Manxiao Misaki (@ManXiaoMisaki) May 23, 2021
One of my favorite anime of all time.
Made by @ephtracy ‘s #MagicaCSG #sdf_edit pic.twitter.com/4pTysfkrU7
Finally took some time to try the very new (V0.0.0!) and promising #MagicaCSG
— Damien Jorrand (@AtelDsign) June 8, 2021
It’s such a different/fun/easy way to model! Thank you @ephtracy!
Here’s a little pond scene pic.twitter.com/0eEGWZslk3
I love that little gun!
— Azazman (@Azazman117) June 12, 2021
Made with #MagicaCSG by @ephtracy pic.twitter.com/WqCDiwz5z5
Proper #UE5 test with my #MagicaCSG sculpt. (2.2 million polys each 🤯🤯🤯) @ephtracy pic.twitter.com/6fNL7HviRq
— Ryan Corniel (@DukeGunston) June 13, 2021
ポリゴンメッシュとしてエクスポートも可能です。必然的にハイメッシュになってしまいますが、Unreal Engine 5 のNaniteとの相性も抜群ですね。
それにしても、この手のポリゴン以外の表現手法は、今後どんどん増えていきそうですよ。似た印象のツールとして、SDFを視覚的に構築できるツール「SDF Editor」や、Unityアセットの「MudBun」「Clayxels」などを過去に紹介しました。Unityではこの手の表現が活発な印象ですね。MagicaCSGは汎用的に使えるツールとして今後も注目度が高いです!是非チェックしてみてください!
リンク
#MagicaCSG: a lightweight signed distance field editor and path tracing renderer https://t.co/RIILEhVF1y pic.twitter.com/3XOwjVeUOE
— ephtracy (@ephtracy) May 21, 2021
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