2025年7月15日(現地時間) 無料&オープンソースのCGソフトウェアの長期サポートアップデート「Blender 4.5 LTS」がリリースされました!
What’s New in Blender 4.5 LTS! Official Overview
Blender 4.5 LTS がリリースされました。ほぼすべての領域で、多くの使い勝手の向上が図られています。LTS は Long Term Support の略で、このバージョンでは2年間にわたりバグ修正が継続されることを意味します。そのため、プロジェクトを開始し、一貫して同じバージョンを使い続けたい場合は、LTS リリースが賢明な選択です。
主な改善点としては、Vulkanのフルサポート、起動とEEVEEシェーダーのコンパイルの高速化、より柔軟なコンポジター(新しいグリースペンシルパスが追加されました!)、アニメーションタイムラインの強化、ジオメトリノードでの複数フォーマットのインポートのサポート、すべてのモードでのUVの可視化、HDRをサポートしたビデオシーケンサーの高速化、500近いバグの修正などがあります。
Vulkan 正式対応
- 長年の努力の結果、BlenderのポピュラーなバックエンドのサポートがOpenGLと同等に
- 全てにおいてOpenGLよりも高速化!高解像度ポリゴンやスカルプトでも効果を発揮
- デフォルトではまだ有効になっていませんので、環境設定で有効化が必要
- ドライバを常に最新にしておく必要あり
- サポートされているプラットフォームとドライバ、および現在の制限を参照してください。
Geometry Nodes
- あらゆる種類のファイルをインポート可能に:CSV (.csv) Stanford PLY (.ply) OpenVDB (.vdb) STL (.stl) Wavefront (.obj) Text (.txt)
- ドラッグアンドドロップでインポート
- 新Format String ノード:ファイルパスを記載するなどでシーケンスのインポートが柔軟に
- 新Set Mesh Normal ノード:カスタムメッシュ法線をジオメトリノードで編集可能に
- Grease Pencil関連ノードの追加
- ノードツールの改善、その他多数のノード追加(Camera Info、Instance Bounds、Match String、Bit Math、Field Average、Field Variance、Field Min & Maxなど)
- パフォーマンスの改善など
EEVEE & ビューポート
- パフォーマンスの改善
- 新shadow terminator bias :低ポリゴン ジオメトリのセルフシャドウ・アーティファクトを除去可能
- Reverse-Z: 深度バッファのアーティファクトを低減する新しいアルゴリズム
- 選択とナビゲーションの自動深度の改善
- シャドウの法線に関する問題の修正
- GPU ベースのサブディビジョン
- 光漏れの問題の修正
コンポジター
- プロシージャルなテクスチャ・ノードが、コンポジターでも利用できるように
- Image Info:解像度、寸法、画像変換を提供します。
- Relative to Pixel::画像サイズからの相対値をピクセル単位に変換します。
- Image Coordinates:正規化ピクセル座標や整数ピクセル座標など、さまざまな種類のピクセル座標を提供します。
- Denoise ノードが GPU デバイスをサポート
- boolean ソケットのサポートを追加
- Box & Ellipse マスクノードのギズモ
- デフォルトで追加された Viewer ノード
- Glare の新しいクランプ入力
- Scale ノードの補間
- Corner Pin ノードの補間
- Splitノードギズモ
- 画像エディタのレンダリングサイズオーバーレイ
- ベクトル画像のメモリ消費量の削減
- 画像ノードがEXR画像からのベクトル出力をサポート
- ミックスカラークランプ係数と結果
- マップ範囲の改善
- ベクトルカーブの新しい係数入力
- 重複機能の削除または非推奨化
Grease Pencil
- コンポジターとの統合:ストロークと塗り潰しをレイヤー別で出力
- ジオメトリノードツールのサポート
- 欠落していた機能の復活
- ストロークの見栄え向上
- 新しいsupersampling anti-aliasing (SSAA)サポート
- アニメーション SVG のエクスポートをサポート
- ノードツールのサポート
- 最小厚みのクランプなし
- レイヤグループによるフィルタ修飾
- ジオメトリノードの改良
- バウンダリストロークの改良、フィルガイドの追加
- アクティブオブジェクトのみのオニオンスキニングの表示
UV 編集
- アクティブまたは選択されたすべてのオブジェクトの UV を、どのモードでも、いつでも表示
(以前は編集モードに限られていましたがすべてのオブジェクトモードでUVが表示されるように) - UVの可視性と不透明度は、オーバーレイポップオーバーからコントロール可能
モデリング & UV
- カーブ編集:「選択リンク(L / [Shift]+L)」がカーブ編集モードで使用可能に。
- パフォーマンス:シャープエッジやカスタム法線を含むシーンで再生速度が最大15%向上。
- 頂点グループ:Nパネルの正規化オプションで複数の頂点グループをロック可能に。
- ポール選択:3ポール・5ポールなどのトポロジーを簡単に選択できる新オプション追加。
- 頂点&エッジの削除:Dissolve時の挙動が改善、不必要な頂点の削除を抑制。
- 三角形結合:四角形優先のトポロジー形成を制御する新オプション追加。
ポイントクラウド
- 点群オブジェクトは、通常のメッシュよりもはるかに高性能
- 点群内の各点は、半径、位置、色などのプロパティを定義する属性を使用してデータを保存(将来のアップデートでは、パーティクルなどのシミュレーション システムのサポートが拡張される可能性があり)
- ポイントクラウド化:ビューポートの Add メニューから直接 Point Cloud オブジェクトを追加するか、Geometry Nodes を使ってプロシージャルに生成
- Snap to Cursor が回転に対応
- 新しいカーブ演算子
- モディファイアとジオメトリ・ノードにおける新しいマニフォールド・ブーリアン・オプション
- 改良された頂点ペアレント UI
- 新しいデフォルトのレトポロジ・オーバーレイ・オフセット
ペイント&スカルプト&モデリング
- Jitter:スカルプト、頂点ペイント、テクスチャペイントモードでのペインティングは、色相、彩度、値のランダム化を、ストローク全体またはストローク単位でサポート
- Manifold:新しい高速ソルバー。「マニホールド」(「水密」メッシュとも呼ばれる)という用語に由来。
ブール修飾やジオメトリノードと同じマニホールドライブラリを使用します
以前のFastモード(現在はFloatと呼ばれている)よりもはるかに高速です - ペンタブレットの傾きサポートの改善
- 色によるマスク
- Vertex/Weight Paint モードのアンドゥの改善
- ブラシアセットがトグルに対応
- Clay Strips ブラシの高速化
- 現在のファイル内のブラシアセットの複製
- スカルプトブラシのパフォーマンスの改善
- ノードツールの高速化変更
ユーザーインターフェース
- ノードをフレームに追加が簡単に:F を押すだけ
- Visible Tabs:タブを非表示にすることで、ごちゃごちゃしたスペースを減らすことが可能
- アセットとファイルブラウザ:ラベルが2行に折り返されファイルの拡張子が明確に表示、新しい水平リストモードで、多くのコンテンツを画面に収める
- クイックキャプチャ:アセットのプレビュー作成がより簡単になり画面に表示されているものをキャプチャするだけ
- その他多くのUI改善
シーケンサー
- UI改善:テキストストリップをプレビューエリアで直接編集可能に([Tab]で編集モード)。
- テキスト配置:複数行・ワードラップ時の左右中央揃えが適切に動作。
- テキストストリップ:背景ボックスに角丸オプション追加、フォント未検出時に別フォントを使用しない仕様に変更。
- スナップ機能:リタイミングキーにスナップ可能、ストリップもリタイミングキーへスナップ可能。
- パフォーマンス向上:画像シーケンスのプロキシ生成、高精度HDRコンテンツのプレビュー再生が高速化。
- エフェクト速度:カーブ・ホワイトバランス・色相補正モディファイアが1.5~2倍高速に。
- 動画レンダリング:H.265/HEVC対応、10bit/12bit動画の入出力対応、BT.709カラースペースに統一。
- その他:EXRのプロキシが正しく動作、コピーやメタストリップ作成時にエフェクトチェーンが自動含まれるように。
4.5 LTSのスプラッシュスクリーン
Blender 4.5 LTS splash artwork “DOGWALK” by Blender Studio
有志による 4.5 LTS 紹介映像たち
しばらく安定環境としてお世話になりそうなバージョンです。
リンク
新機能紹介ページ:4.5— blender.org(このページを日本語翻訳するとわかりやすいです)
最新リリースノート:Reference/Release Notes/4.5 – Blender Developer Wiki
最新リリースノート(日本語訳版):Dev:JA/Ref/Release Notes/4.5 – wiki
ダウンロード先:Download — blender.org
Blenderのインストール管理などは個人的にBlender Launcherがおすすめです。
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