NVIDIAによる「NVIDIA kickstart RT SDK v1.0」が正式リリースされました。ゲームエンジン向けレイトレーシングを手軽に実現できるSDKとのことです。
Kickstart RT SDK v1.0
本SDKは、レイトレーシング用のシェーダやシェーダリソースを用意することなく、ハードウェアのレイトレーシング機能を使って、従来のスクリーンスペース技術よりも高品質な反射・GIレンダリングを実現することを目的としています。
既存のゲームエンジンにレイトレーシングを実装する際、最大の問題となるのが反射光線やGI光線用のシェーダを用意することです。ゲームシーンに存在する無数のシェーダをすべてリストアップし、設定する必要があります。また、各マテリアルに対して、それらのシェーダからさまざまなシェーダリソース(ConstantBuffer、Textureなど)に正しくアクセスできるようにする必要があります。これは非常に複雑な作業になる可能性があります。
本 SDK では、すべてのシェーダをセットアップする代わりに、レンダリングされた G-Buffer からライティング情報を取得し、ワールドスペース・キャッシュに格納します。そのため、アプリケーションはレイトレーシング用のシェーダを変更する必要がありません。内部的には、本 SDK はレイトレーシングを使用してライティ ング情報をサンプリングし、反射および GI 情報を作成します。画面外のオブジェクトの照明情報もSDKに保存されていればサンプリングされるため、ここが画面空間ベースの手法と大きく異なる点です。
Kickstart RT SDK の特徴
- 従来のDirect3D 12 API要件や既存のマテリアルシステムへの侵襲的な変更を排除
- リアルタイム・レイトレース反射、シャドウ、アンビエント・オクルージョン、グローバル・イルミネーションを1つの傘の下で実現
- Direct3D11、Direct3D12、Vulkan経由でAPIを提供するクロスAPI、クロスプラットフォームのソリューション。WindowsおよびLinuxシステム上で動作
Kickstart RT SDK v1.0
- RegisterGeometryは、入力として複数の頂点/インデックスペアを受け入れることができるようになりました。
- 新しいDirectLightTransferタスク
- 個々のレンダリングタスクのBVHを制御する新機能が追加されました。
- すべてのレンダリングタスクに単一のディスクリプタヒープを割り当てることができるようになりました。
- レイトレーシングのワークロード最適化
- NRD が v3.9.2 にアップデートされました。
便利な時代になったもんだ
その他詳細は公式ページやGithubページをご確認ください。
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