東京大学や創作系研究者らによる共同研究チームが、190点の立方体型木材サンプルを収録した「Mokumeデータセット(The Mokume Dataset and Inverse Modeling of Solid Wood Textures)」の情報を公開。それを活用して、外観の写真から内部構造と色テクスチャを推定する画期的な逆モデリング技術を発表!SIGGRAPH 2025発表技術論文です。
The Mokume Dataset and Inverse Modeling of Solid Wood Textures
高解像度の外観写真、年輪注釈、体積CTスキャンによって記録された、様々な広葉樹と針葉樹の190の立方体試料から成る、無垢材のテクスチャリングのための木目データセットを紹介する。サンプルのサブセットには、検証のためにキューブを斜めに切断した写真も含まれている。このデータセットを用いて、外観写真のみを用いて無垢材の質感を推定する3段階の逆モデリングパイプラインを提案する。本手法は、まずニューラルモデルを評価し、立方体の表面写真上の年輪を特定する。次に、これらの外観の2D観察を、新しい等コンターロスを用いて手続き的成長場を最適化することにより、大域的に一貫性のある3D表現に拡張する。最後に、成長場から詳細な体積カラーテクスチャを合成する。この最後のステップでは、効率と品質の異なる2つの方法を提案する:高速な逆手続きテクスチャ法とニューラルセルラーオートマトン(NCA)である。未見のキャプチャデータとの包括的な比較を通じて、木目データセットと提案アルゴリズムの相乗効果を実証する。また、アブレーションとベースラインに対するパイプラインのコンポーネントの効率性を実証する実験も行う。
“Mokume Dataset” は、17種類の樹種からなる約200点の木材サンプルを立方体に加工し、高解像度の外観写真と年輪注釈、さらにCTスキャン情報までを収録した、極めて貴重な木材データセットです。このデータを利用し、外観の写真だけから木材内部の年輪構造とボリュームカラーのテクスチャを推定する 三段階の逆モデリング手法 を提案しています。
中々興味深い研究です。
内部までを表現したリアルな木材マテリアルなんてのも今後手軽に使えるようになると良いですねぇ。
逆に、この木材をこの方向に切るのは不自然だ!という更に高度なフィードバックをもらう日も来そうな予感もします…。「Mokume」は現在プロジェクトページが公開済みで、コードの公開は未だのようです。ぜひチェックしてみてください!
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